KANSASの日本デビューは75年の3rdアルバム「仮面劇」だったということで裏づけされるようにアメリカンプログレが日本で騒がれだすのは70年代中期ごろBOSTONのデビューによってアメリカのロックに対する認識を覆してからのことだった。

ただそれはプログレッシブロックを体現するバンドがメジャーになっただけのことで、アメリカンプログレの源流はすでに60年代のVANILLA FADGEの例を持ち出すまでも無く着々と進化を続けていた。今回ご紹介するのは70年代初頭においてアメリカンミュージックをルーツに持ちながらヨーロッパ的なサウンドを持ち込みまさにアメリカンプログレというべきサウンドを作り上げた先陣バンドです。

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Same Title
(1971/Kapp KS-3648)
フォークカントリー要素の強い曲からキーボードをフィーチャーしたプログレサウンドまで幅広い音楽性を1枚に詰め込んだ内容となっている。ただ、曲が短くプログレファンを喜ばせる要素が少ないのも事実ですね。



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Different Roads
(1971/Kapp KS-3657)
基本的にはファーストと同じ路線だがプログレッシブな構成を持った長尺の曲が何曲か含まれ多少荒削りでは有るがシンフォニックでプログレッシブな内容のアルバムとなっています。しかし、曲自体は思いのほかキャッチーで聞きやすく70年代後半に花開くアメリカンプログレの先がけとして重要な位置にあるアルバムと思います。



Kappという割とメジャーなレーベルからリリースされているにもかかわらず日本では無視されてきた不遇なバンド。ブリティッシュの湿った感覚の楽曲や丁寧な楽曲しか受け付けない人もいると思うけど、ヨーロッパからは決して生まれないであろうアメリカンプログレの傑作としてこのバンド、特にセカンドアルバムは受け入れてほしいと個人的に切に願います。

バンドはA Full Moon Consortとなり78年にアルバム「The Men in the Moon」を発表します。

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The Men in the Moon
(1978/Midwest 2001)
前作をアップデイトしたようなプログレッシブな感覚を持ったAORとでも言った内容。ハードなギターなどロックバンド然としたところもありますが、別バンドとし聞いた方がいいかも。相変わらず音楽性は高く純粋に音楽として楽しめるアルバムでもあります。




ちなみにバンドメンバーにJake Jonesなる人物はいません。

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